第1章:グラム染色の基礎知識
3. 汎用されているグラム染色法の種類と特徴
1)各種染色法の組成と特徴
Hucker変法 | Bartholomew & Mittwer変法 | フェイバー法 | |
初期染色液 | クリスタル紫 シュウ酸アンモニウム |
クリスタル紫 炭酸水素ナトリウム |
ビクトリア青 |
媒染剤 | ヨウ素・ヨウ化カリウム | ヨウ素・水酸化ナトリウム | 20%ピクリン酸ナトリウム |
脱色・分別剤 | 95%エタノール | アセトン・エタノール | |
後染色液 | サフラニン液 | パイフェル液 | パイフェル液 |
特徴 | インフルエンザ菌等が難染性 細胞の染まりがきれい エタノールでは分別が難しい |
GNRの難染性を改善 脱色・分別が容易 後染色液により陽性菌が陰性化 |
媒染と脱色・分別がワンステップ 標本にムラが出来やすい |
[表1]
この表は現在よく用いられているグラム染色法の一覧です。何れの方法にも長所、短所があり、手引書の手順通りに染めれば、誰でも常にうまく染まるというものではなく、他の染色法同様に工夫や熟練が必要です。
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